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■  ポンと村おこし  第90.5話「ぶじょくっ!」               ■
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 おやつの時間です。
 今日はわたし、コンちゃん、レッド、千代ちゃんでテーブル囲んでます。
 おやつのドーナツを食べながらレッド。
「あなあきで〜す」
「そうですね、穴、あいてますね」
 ちくわやバームクーヘンもそうですが、レッド、穴のあいてるの、好きみたい。
 それとも子供はみんなこんなのが好きなのかな?
 まぁ、ちくわもバームクーヘンもドーナツも、どれもおいしいですけどね。
「めがねでーす」
 レッド、ドーナツ二つでメガネって言ってます。
 あ、食べ始めました。
 そんなレッドを見ていたコンちゃん。
「しかし先日は大変じゃったの」
「なにが?」
「例のお風呂メガネじゃ」
「ああ、あの、レンズのない」
「そうなのじゃ……思い出しただけでもおぞましい」
「コンちゃん、そんなに……」
「おぬし、あの後どうなったか覚えておろう」
「……」
 そうです、あの後、お風呂メガネでレッドと一緒に入ったシロちゃん・ミコちゃん。
 運命はたまおちゃんやみどりと同じでした。
 ポン太とポン吉が夕飯一緒の時にもレッドの面倒みてもらったの。
 もちろんお風呂メガネ付き。
 ポン太・ポン吉も見事に撃沈。
 店長さんも入ったらぐったりしてました。
 唯一無事だったのは目の細い配達人くらいです。
 あの男はメガネをしても目が細いから……かもしれません。
「あれだけの犠牲が出たのじゃ」
「ですね、あのお風呂メガネで無事だったのは配達人だけ」
「あやつは子供馴れしておるのかも知らん」
「あ、なんかちょっとわかる〜」
 そーです、あの配達人、なんだか子供に好かれる雰囲気なの。
 目、細いんですけどね。
 そこがいいのかも知れないなぁ。
「わらわがお風呂メガネを封印したの、わかるであろう」
「って、実はわたし達が一緒したくなかっただけですよね」
「まぁ、そうかのう」
「でもでも……」
「なんじゃ、ポン」
「ちょっと……どんな惨事があったか見たかったかも」
「ポン、おぬし、こわいもの見たさかの」
「コンちゃんはどうなんですか?」
「わ、わらわはいい……何だかすごく嫌な予感するしの」
 って、千代ちゃんがじっとわたし達を見ています。
 話を聞いてたみたいですね。
「わたし、見てみたい」
 い、いきなりなにを言い出すんですか、千代ちゃんは!
「どうぞ」
 メガネ、差し出してきました。
 わたしは様子見。
 コンちゃんは唇ゆがめてますね。
 でもでも、コンちゃんひらめいた顔で、
「うむ、一度試してみるかの」
 千代ちゃんのメガネを受け取ってから、
「これ、レッド、食べるのをやめるのじゃ」
「ふえ、おあずけ?」
「そうじゃ、待てじゃ」
「らじゃー」
「わらわを見るのじゃ」
「なにごとですかな?」
 レッド、ドーナツを手にしたままコンちゃんを見てます。
 コンちゃん、メガネを装着中。
 メガネ、子供の千代ちゃんサイズだけど、とりあえずかけられました。
 うわ……普段は「ぐーたら」なコンちゃん。
 でもでも、メガネをすると「知的」な感じになっちゃう。
 わたしもびっくり。
illustration やまさきこうじ
 でも、レッドは……固まっちゃいました。
「レッド……」
「……」
「ねぇ……」
「……」
「レッド……大丈夫?」
 返事ないから……って、様子が変です。
 目を見開いたまま固まってる。
 ってか、瞳孔開ききってませんか?
「レッドーっ!」
 わたし、レッドをゆすりまくり。
 ああ、レッド、鼻血を垂らしながら我に返りました。
「ふわわ、なにごと!」
「レッド、大丈夫ですかっ!」
「おはなばたけにいたはずですが」
「お花畑ってなんですかっ!」
「そんなこときかれても……」
 って、レッド、コンちゃんを見てまた硬直。
 でも、さっきみたいに意識飛んだりしません。
 うつむいて、コンちゃんを見ないようにしながら、
「コンねぇ、やめてください」
「レッド、何故じゃ、おぬし、メガネ好きであろう」
「コンねぇ……コンねぇのメガネはまぶしすぎです」
「……」
「ぼくにはつよすぎでありまする」
「ふむ」
 コンちゃん、メガネを外しながら、
「わらわのメガネ顔はレッドには強すぎるのかの」
「ですです〜」
 そうですか……わたし、メガネを借りて、
「レッド、レッド、こっち見て〜」
「ポンねぇ……」
 わたし、メガネを装着。
 おお、レッド、固まってますよ。
 わたしもレッドを失神させるとは、なかなかなんでしょうか?
 レッドの肩がプルプル震えてるの。
 早く失神しないかな。
「ポンねぇっ!」
「なんですか、いきなり大きな声でっ!」
「もうっ!」
 レッド、怒ってわたしにつっかかってきます。
「ポンねぇ、もうっ!」
「なになに?」
「めがねはずして!」
「わ、わかったわかった!」
 わたし、まずレッドを引き離します。
 すごい剣幕なの。
「なに怒ってるんですか?」
「ポンねぇはだめです」
「は?」
「ポンねぇのめがねはダメです」
「は?」
「めがねをぶじょくしていますっ!」
「え……」
 わたし、ぼーぜん。
 レッド、ぴょんぴょん跳ねて怒ってます。
 コンちゃんと千代ちゃんは笑いを堪えてるの。
 わたしがメガネしたら……
 メガネを侮辱してるんだ……


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