■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■ コンと村おこし第11話「ポンの寝心地」 ■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ふむ、今回もわらわのターン。 今日はリビングでゴロゴロなのじゃ。 なに、ミコから洗濯物をたたむように言われておるのじゃ。 しかしの…… 取り込んだばかりの洗濯物、フカフカで気持ち良いのじゃ。 わらわ、さっきから洗濯物に埋もれてぬくぬくなのじゃ。 そしてウトウトしておったのじゃが…… むう、何か物足りんのう。 リビングで、テレビを眺めながら、フカフカに埋もれる…… ウトウトしてはおるが、こう、最後に何かあればのう。 ともかく何か物足りんのじゃ。 うむ、足音が近付いて来るのじゃ。 ミコかの? グダグダしていると怒られるのう。 しかし、洗濯物が悪いのじゃ、フカフカなのが悪いのじゃ。 「コンちゃん、ポンちゃんが怒っているでありますよ」 「およ、シロではないかの」 「コンちゃん、ポンちゃんが怒っているでありますよ、店に出ないでいいでありますか?」 「わらわ、ミコに洗濯物をたたむように言われておるのじゃ」 「……」 「たたむように……」 「たたんでいないでありますよね、まみれているだけであります」 「洗濯物が悪いのじゃ、ぬくぬくなのが悪いのじゃ」 「コンちゃん、いつもダメダメでありますね」 「わらわ、女キツネゆえ、きまぐれなのじゃ」 「しょうがないでありますね、本官が店を手伝うであります」 「うむ、シロよ、よきにはからえ」 「よきにはからえではないであります」 ふふ、シロめ、怒っておる。 しかしシロも店員気にいっておるであろう。 メイド服を着ると嬉しそうにしておるのじゃ。 シロは行ってしまったの。 では、わらわもおやすみするとするかの。 しかしこう、何故か物足りぬのじゃ。 「これ、レッド」 「ふにゃ……コンねぇ〜」 「何故ポンだと眠れるのじゃ」 「ちょうどよいゆえ」 「?」 「どらやききゅー、ちょうどよいゆえ」 レッドが言っておったのう。 ポン……は、今、店に出ておるのじゃ。 誰か添い寝によい者はおらんかの。 「!」 そうじゃ、さっき目の前を通ったではないか。 「それ、シロを召喚じゃ!」 わらわが指を弾けば、あっという間にシロが登場なのじゃ。 「うわ、何事でありますか!」 シロ、パンツ&ブラなのじゃ。 わらわを見て、 「コンちゃん、召喚しないで欲しいであります」 「おぬし、なにを脱いでおるのじゃ」 「着替えていたでありますよ」 「おお、そうじゃったの、おぬしは警察の犬ゆえ、コスチューム・チェンジ出来んのう」 「コンちゃんとミコちゃん限定であります、コスチューム・チェンジ」 「わらわとミコは神ゆえのう」 わらわ、シロを手招き。 「何でありますか?」 「いいから、こっちに来るのじゃ」 近寄って来たシロの手を捕まえて、洗濯物の中に引きずり込むのじゃ。 それ、シロを「ギュッ」とするぞ。 「うわ、何をするであります」 「よいから、今からおぬしはわらわの抱き枕なのじゃ」 「き、気持ち悪いでありますよ」 「うるさい雌犬じゃ、黙ってわらわに抱かれるのじゃ」 「……」 ギュー! ふむ、シロ、よい体をしておるの。 こやつの胸もなかなかのボリュームじゃ。 洗濯物のぬくぬくもよいが、人肌もよいのう。 ギュー! 「コンちゃんは……」 「何かの?」 「マシでありますね」 「?」 「本官、毎晩たまおちゃんと寝ているであります」 「!」 「たまおちゃんは毎晩まいばん、本官の体をまさぐるであります」 「そ、そうかの、大変じゃの」 「それに比べれば、抱きつくだけであります」 「わらわ、別に百合ではないのでの」 「まぁ、添い寝でよければ、付き合うであります」 って、シロ、さっさと寝てしまうのじゃ。 わらわもこやつを抱き枕にして…… うむむ、しかし、何か違うのう。 夜が来たのじゃ。 ゴハンも食べて、風呂にも入って、テレビも見て、そろそろお休みなのじゃ。 「これ、レッド」 「ふにゃ……コンねぇ〜」 「何故ポンだと眠れるのじゃ」 「ちょうどよいゆえ」 「?」 「どらやききゅー、ちょうどよいゆえ」 レッドは言っておったのう。 しかしの、シロと一緒にお昼寝したのじゃ。 シロのナイスバディはフカフカだったのじゃ。 しかしレッドの言葉、気になるのう。 おお、ポンの足音が近付いてきたのじゃ。 「おお、ポン、待っておったのじゃ」 「コンちゃん、どうかしたの?」 「早うこっちに来るのじゃ」 「そりゃ、そっちに行くよ、お布団一緒だもん」 「早く入るのじゃ」 「ってか、ちょっと寄ってくださいよ〜」 「早く! 早く!」 「今日のコンちゃん、なんか変だよ〜」 ギュー! 「ふわわ、どうしたんですか、甘えん坊さん」 ギュー! 「もう、しょうがないですね、コンちゃんは」 わらわ、気付いてしまったのじゃ! この、未発達な残念な体。 抱き枕には最高なのじゃ。 シロの豊満ボディも確かに良かったが…… ポンのこの「どらやき級」本当に良いのじゃ。 今まで毎晩一緒ゆえ、当たり前になっておった。 わらわが安眠できるのは、こやつの体のおかげだったのじゃ! 朝じゃ、まだウダウダしていたいのう。 これ、ポンよ、動くでない。 わらわはまだグダグダするのじゃ。 「コンちゃん放して〜」 「動くでない、おぬしは抱き枕なのじゃ」 「朝のお勤めがあるのー!」 ギュー! なんじゃこのちょうどよいフニフニ感。 ふむ、今までわらわが安眠出来たのは、この体のせいじゃったのじゃ! シロのフカフカもよい…… しかしポンもフニフニ感の方が断然よいのじゃ。 「コンちゃん放して〜」 「わらわ、気付いたのじゃ」 「なんに気付いたんですか?」 「ポンがわらわをグダグダにしておるのじゃ!」 「え? わたし? なんで!」 「おぬしのこのどらやき級の体が、安眠を誘うのじゃ! グダグダを誘うのじゃ!」 ドクン! ポンの心臓、一度大きく鼓動したように聞こえたのう。 「コンちゃん……」 「ふふ、フニフニなのじゃ〜」 「死ねっ!」 おお、ポンから抱きしめてきたのじゃ。 って…… ちょっ…… 「ちょっと待つのじゃっ!」 「死ねー!」 「い、痛いのじゃ、力加減ないのじゃ!」 「死ねー!」 ああ、気が遠くなる…… ポンのフニフニボディのせいなのじゃ…… 「ああ、どらやき級、最高……」 「死ねーーーっ!!」 kmc011/kmy011 for web(kmc011.txt/kmy011.htm) kmy011 for web(kmy011.jpg) NCP5(2015) (C)2008,2015 KAS/SHK illustration やまさきこうじ HP:やまさきさん家のがらくた箱 (pixiv:http://www.pixiv.net/member.php?id=813781) (C)2008,2015 KAS/SHK (C)2015 やまさきこうじ