■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■ ポンと村おこし 第137.5話「おねむレッド」 ■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ さーて、今日のお仕事終わりました。 わたしはレッドの手を引いてお家に帰ります。 手を洗って、ミコちゃんの出してくれたお茶を飲んだら、なんだか気分がほわほわなの。 「ポンちゃん、どうだった?」 「学校で注射ごっごでした」 「注射ごっご?」 レッドとコンちゃんも手を洗い終わってリビングに。 コンちゃんはお茶をすすり、レッドはジュースをゴクゴク飲んでるの。 レッド、ニコニコ顔で注射の跡をミコちゃんに見せながら、 「いたいの、がまんしたゆえー!」 「ふふ、レッドちゃん偉いえらい!」 「がんばりましたー!」 って、わたしとコンちゃんは赤くなるの。 だってあの注射はニセモノだったんです。 それなのにそれなのに…… わたしとコンちゃん大泣きしちゃったもん。 『ねぇねぇ、なんでポンちゃんとコンちゃんは赤いの?』 『注射ごっこだったんです』 『?』 『保健の先生、注射器のおもちゃで注射したフリだったんです』 『そ、そうなんだ』 ミコちゃんちょっと考える顔で、 「それで治ってるの?」 「うん、今日大人しくしてれば大丈夫なんだって」 「ふうん」 ミコちゃん納得したのか、 「じゃあ、今日はレッドちゃんとまったりゆっくりしててね」 「はーい」 って、ミコちゃん、わたしにレッドを渡します。 「?」 「レッドちゃんが遊ばないように、寝かせて」 「むう」 レッドはわたしの膝の上でじっとこっちを見てます。 「レッド、聞きましたか?」 「はぁ?」 「今日は風邪ひきさんなので、大人しくするんです」 「むむ、あそびたし」 「寝るんですよ!」 わたし、レッドを抱いて背中をポンポン、なでなで。 おお、なんだかもう寝息たててますよ。いつも寝かしつけてるから、わたしの特殊能力なのかも。 こっちもレッドの温もりに眠たくなってきました。 むむ、見たいテレビがあるのに、ここで寝るわけにいきません。 でも、レッド、ぬくぬくで眠くなっちゃいます。 「コンちゃんコンちゃん」 「なんじゃ」 「レッドをどうぞ、ぬくぬくですよ」 「ふむ……」 コンちゃん、わたしからレッドを受け取って抱っこ。 「めずらしいですね」 「何がじゃ?」 「コンちゃんがレッドの面倒見るなんて」 「ふふ、今、レッドを抱っこしておれば、夕飯の手伝いをせんでよい」 「いつもしてないよね」 「いいのじゃ、レッドは免罪符なのじゃ」 レッド、コンちゃんの膝の上でスヤスヤ。 でも、急にしっぽが揺れはじめると、目が覚めたみたいです。 「ふにゃ……」 「うむ、レッド、起きてしまったかの」 「コンねぇ〜」 「ほれ、今日は寝て過ごすのじゃ、わらわも寝るゆえ」 「むー」 レッド、コンちゃんに抱きついて眠りに…… 「むー」 なかなか落ちませんね。 って、わたしの方をにらんでますよ。 そしてコンちゃんの膝の上から、わたしの膝の上に戻って来ちゃいました。 わたしに抱きつくと、あっさり寝てしまいましたね。スピスピいってます。 コンちゃん、わたしに顔を寄せて、 「ふむ、レッドは寝てしもうたな」 「ですね」 「何故、ポンだと寝れるのじゃ?」 って、コンちゃんせっかく寝ちゃったレッドをゆすって起します。 「これ、レッド」 「ふにゃ……コンねぇ〜」 「何故ポンだと眠れるのじゃ」 「ちょうどよいゆえ」 「?」 「どらやききゅー、ちょうどよいゆえ」 「!」 「コンねぇのは、ふかふかすぎてねれませぬ」 って、レッド、わたしの胸に顔を埋めてスピスピ。 あっという間に急速潜航しちゃうの。 コンちゃんの肩は震えてます……笑ってますね。 「どらやききゅー……そうかの、そうかの」 「こ、コンちゃん笑ってますねっ!」 「それではわらわはかなわんのう〜」 「わ、笑ってますねっ!」 レッド、今度一緒にお風呂したら頭からザブンなんだからモウっ! pmy137p for web(pmc137p.txt/pmy137p.htm) pmy137p for web(pmc137p.jpg) NCP5(2015) (C)2008,2015 KAS/SHK illustration やまさきこうじ HP:やまさきさん家のがらくた箱 (pixiv:http://www.pixiv.net/member.php?id=813781) (C)2008,2015 KAS/SHK (C)2015 やまさきこうじ