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■  ポンと村おこし  第156話「西部劇再び再び?」            ■
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「はい、いらっしゃいませー」
 今日は日曜日。
 わたし、パン屋さんじゃなくて、「ぽんた王国」お手伝いなんです。
「ぽんた王国」には「おとうふ屋さん」「おみやげ屋さん」「おそば屋さん」と「ニンジャ
屋敷」があるんですよ。
 今日のわたしはその「ニンジャ屋敷」でチケット売ったり、案内したりなんですね。
 わたしと一緒にみどりも、桃色のニンジャ装束で売り子さんなの。
 まずは家族で「ニンジャ屋敷」、それからお買い物をして、お昼だったらおそば屋さんも
利用しちゃうのがパターンみたい。
「ちょっとアンタ!」
「なんですか?」
「チケットはあと何枚なの!」
 そうそう、チケットは一度に20枚までなんですよ。
「あと2枚ですね、家族だったら入れていいってポン太が言ってましたよ」
「そう、あそこの家族が来そうよ」
「4人ですね……むむ」
 そうそう、ポン太に言われて、毎回20枚までチケット分けてるんですよ。
 なんで20枚、20人なんでしょうね。
「ねぇねぇ、みどり」
「何よ!」
「なんで20枚なのか、聞いた事ある?」
「……」
 わたしの質問に、みどり、固まっちゃいます。
「どうしてかしらね、アンタも知らないのっ!」
「うん、わたしもよく考えたら知らない」
「あの家族が来たら、ちょっと中で聞いてみるわよっ!」
「そうですね、そうしましょう」
 ニンジャ屋敷の20人の謎、なんででしょうね?

 受付を「しばらくお待ちください」にして、中で聞いてみましょう。
 入ったお客さんは制限時間にニンジャ屋敷の中にあるチェックポイントでスタンプを集
めるんです。
 そして、最後の地下室で「ボス」を倒してエンディングなんですよ。
 今はまだ、お客さん達がニンジャ屋敷を探索中で、中は騒がしいです。
 みんな「あっちだ」「こっちだ」言いながら、スタンプを探すんですね。
 わたしは一番人が通る所でヒントを出しているポン吉を捕まえます。
 みどりが、
「ちょっとアンタっ!」
「おお、なんだよ、みどりもポン姉も、受付どうしたんだよ」
「ちょっとアンタに聞きたい事があるのよっ!」
「わたしも聞きたいんですよ」
「何?」
 みどり、ポン吉を捕まえて小声で、
『何で20人なのよっ!』
「?」
『何で20人なのかって聞いてるのよっ!』
「ああ、人数の事ね」
「そうですそうです、わたしも気になりました」
「知らないでずっとやってたのかよ〜」
「なんでです?」
 って、最後に入った家族がポン吉にヒントを聞いてきます。
 ポン吉は視線をやってから、「どんでん返し」を開いて見せるの。
 家族はそこに入っていきました。
「ポン姉もみどりも、ルール知ってるんだろ」
「「?」」
「スタンプ集める時、スタンプの所にはヒントがあるんだよ」
「はぁ」
「そうなんだ」
「だから、大体順番通りに廻って、ゴールに行くんだよ」
「「そうなんだ」」
「ゴールの地下室は大きめに作ってあるけど、いっぺんに20人くらいしか入らないの」
「「なるほど〜」」
 地下室は知ってます。
 確かにあそこにたくさんの人が入るの、ちょっと大変ですね、20人でも大変でしょ。
 あ、さっきの家族が目の前を通ります。
 ポン吉に全部ハンコを押したカードを見せてニコニコしてるの。
 そんな家族の後にポン吉も着いていきます。
「ポン姉もみどりも、ちょっと着いて来なよ」
「アンタ、いいの!」
 みどりは行きたそうです。
「どして?」
 わたしは地下室、行った事あるからどうでもいいかな。
 ポン吉、わたしの返事に嫌そうな顔で、
「みどりもポン姉も、もしかしたらラスボスをやってもらうかもしれないしな」
 みどりはすごく嬉しそうです。
 でも、わたし、なんだかちょっと嫌かも。
 なんでわたしがラスボスなんですか。
 嫌味ですか。ええ!

 今日は雨です。
 平日で雨だと、こんな山のパン屋さんは、お客さんさっぱりなんですね。
 学校の配達も終わっちゃうと、なんだかポヤンとした時間になっちゃいます。
 わたしとコンちゃん、テーブルで、
「そんな事があったんですよ」
「昨日、ポンはそんな事があったのかの」
「そうなんですよ、わたしとみどり、いつかラスボスやらされます」
「ふむ、あのニンジャ屋敷、そのような演出があったのかの、知らなんだ」
「コンちゃんは遊んでて知ってるかと思ってた」
「わらわも知らぬ、大体ニンジャ屋敷で遊ぶと思うかの」
「そう、お客さん、すごく楽しそうだけど」
「わらわには物足りぬのじゃ」
「ふん、そんな事言って、いざやってみたらはまるタイプですよ」
「むう、ポンめ、言いおるの」
「じゃあ、わたしがラスボスだったら……参加しますよね」
「あたりまえなのじゃ、わらわ、ポンを殺して、ここで一番なのじゃ」
「返り討ちにしてあげますよ」
「むう、ポンめ、言いおるの」
 わたしとコンちゃん、お茶をすすって、
「しかし、本当にヒマじゃのう」
「雨ですからね」
「昨日のパン屋は忙しかったのじゃ」
「日曜ですしね」
「せめて昨日と半々になればよいのじゃが」
「ああ、それってわたしも思う事あります、でもでも仕方ないですよ」
「うむ、ポンの言うとおりじゃのう、確かに仕方ないのう」
 コンちゃん、席を立つと窓際に行って外を見ています。
 灰色の雲に、雨粒が窓についているの。
 シトシト降ってる感じですよ。
「客が来んかのう、ヒマじゃのう、用務員でも、花屋の娘でもよいのじゃ、保健医はいら
ぬ」
「保健の先生嫌いですか?」
「嫌いというか、こわいのう」
「コンちゃんも、こわいってあるんだ」
「ひゃっ!」
 コンちゃんがかわいらしい声をあげます。
 びっくりです。
 なにかな?
「どうしたんです?」
「い、いや、これ」
「これ?」
 窓ガラスにカエルが取り付いています、緑色、アマガエルの小さいの。
「カエル?」
「そうなのじゃ、わらわが外を見ていたら、いきなり飛びついてきたのじゃ」
「カエルじゃないですか、別にこわくないですよ」
「わらわ、苦手なのじゃ、カエルとかトカゲとか」
「か、かわいい事言いますね、神さまなのに」
「苦手なものは苦手なのじゃ」
 コンちゃん、張り付いたカエルをガラス越しにトントン。
 カエルはジャンプして行っちゃいました。
「いきなり現れるとびっくりするのう」
「ああ、それはわかります」
「別に、捕まえられぬというわけではないのじゃ、いきなりなのが嫌なのじゃ」
 コンちゃんの苦手なの、わかる気がします。
 でもでも、窓ガラスに飛び付くカエルは、びっくりするほどかな?
 もしかしたら、本当はカエルが苦手なのかもしれません。
 どうなんでしょ、なんとか本音、知りたいな。

 わたしが老人ホームのおやつの配達を終えて帰っていると、
「あ、ポン姉、ポン姉!」
「ポン太、どうしたんです?」
「ちょっとちょっと!」
 ポン太が手招きしています。
 って、ニンジャ屋敷の地下に連れて行かれました。
 なにかな?
「ちょっと見てて欲しいんです」
「うん?」
「今度、幼稚園が遠足に来るんですよ」
「幼稚園? 芋掘りの時の幼稚園ですか?」
「多分そこだと……今度はニンジャ屋敷を園児みんなでまわる遠足なんです」
「平日貸切ですね」
「はい……で、お昼は長老のおそばなんです」
「長老のざるそば、おいしいもんね、子供大好きですよ」
「そうなんです、長老は食事の準備で忙しいので、ボクがラスボスやるんです」
「ポン太がラスボス、すご!」
「いや、その、ラスボスはボクもポン吉もやるんですよ」
「そうなんだ」
「交代でやってるんです、で、今回はボクの番」
 ポン太、手と手を合わせて、印を結んで、口をモゴモゴ呪文を唱えるの。
「えいっ!」
 結んでいた手を解いて、右手を振るといきなり爆発。
「ドカン!」と爆発音をさせて……
 煙の向こうにシルエット……
「ゲコゲコ」
 声がしますよ。
 煙が晴れたら、大きなカエル登場なの。
「ゲコゲコ」
「うわ、でか、おおきい、なにこれ!」
「ガマの術」
「え?」
「ガマの術」
 ポン太、さも事もな気にいいますよ。
 登場した巨大カエルはほっぺを膨らませてゲコゲコ言うの。
「ガマの術ってなんです?」
「こう、ガマに乗って」
 ポン太、巨大ガマに乗ると周囲を見回して、部屋の隅にある「ほうき」を見て手を振る
の。
「ゲコ」
 巨大ガマは一声鳴くと、舌が飛び出し、ほうきを絡めて持って(?)来ます。
「おお、すごいすごい」
 わたしが言うのに、巨大ガマの目もどことなく「えっへん」って感じかな。
 ポン太が、
「ポン姉、ポン姉、手裏剣投げてみて」
「手裏剣……これ?」
 箱の中に新聞紙で作った手裏剣がたくさんあります。
 これ、お手伝いで入るから知ってますよ。
 ニンジャ屋敷に入るときに配るヤツです。
 配っているのはそれっぽく色が塗ってあるけど、これはまだ作っただけですね。
 十文字のヤツや、ナイフみたいな形のがあるの。
 わたし、巨大ガマから距離をとって投げてみます。
 ちょっとは練習してるから、「ビシッ」っと投げますよ、ええ。
 巨大ガマ、自慢の舌でわたしの投げたの、絡め取っちゃうの、すご!
 ちょっとくやしくなってきました。
 どんどん投げちゃうんです、えいえいっ!
 巨大ガマ、ナイスな舌さばき(?)で全部キャッチ(?)しちゃうの。
「すごいすごい! ガマ、すごーい!」
 ポン太、巨大ガマを降りると、
「今で言うなら戦車みたいな感じですね」
「そうなんだ、舌、早いし」
「そうですね、舌で捕まえるばっかりですけど、叩くのもいいかもしれません」
「でもでも、子供、泣かないかな」
「あ! それは気をつけないといけないかなぁ」
 ポン太、巨大ガマを撫でながら、
「入り口で一度見せてから、後で登場させたら見慣れててよくないですかね?」
「そうだね、入り口で見せたら、みんなびっくり喜ぶかもよ」
「じゃあ、そうしようかな」
「ゲコゲコ」
 巨大ガマも賛成みたい。
 表情はカエルなんで、なにを考えてるかさっぱりですが……
 目を見てると気持ちがわかります。
 でもでも、それってニンジャの使い魔(?)として失格な気もしますがいいでしょう。
「うん?」
 わたし、なにかひっかかります、ついつい声が出ちゃいました。
「ポン姉、なんです?」
「いやいや、ちょっと……」
 わたし、巨大ガマを撫でながら、
「えっと、ちょっと待って、今、思い出せそう」
「なんです?」
「そうそう、コンちゃんなんだけど……」
「コン姉がどうしたんです?」
 ポン太はコンちゃんが好きだから、身を乗り出して来るの。
「カエル、苦手みたいだよ、これで攻撃したら勝てるかも」
「!」
「ポン太、これでコンちゃんに勝って、結婚してもらったらいい」
「結婚」の辺りでポン太、真っ赤ですよ。
「え、えっと、勝負に勝って……嫌われませんか?」
「えー、コンちゃん、いつもはぐらかしてばっかりだよね、ここで『ビシッ』っと勝って、
ポン太の方が強いのを示していた方がいいよ、そして『俺のモノになれー』みたいな男ら
しいプロポーズですね」
「俺のものになれー……」
 ポン太、真っ赤で頭に湯気出てます。
「その案、いただきます、ポン姉に感謝です」
「どういたしまして、でもでもコンちゃん来るかな、罠ってすぐ感付くよ、カンはするど
いから」
「そんなの、ツケ・ノートでおびき寄せるだけです」
 ポン太、容赦ないですね。
 でもでも、面白くなってきましたよ。

 笑っちゃいます、コンちゃんは来ませんでした。
 で、わたしとポン太でパン屋さんに行くんです。
 コンちゃんは来ませんが、行けば居るんですね。
「ポン姉ポン姉、ちょっとちょっと」
「なに、どうしたの?」
 ポン太に言われて……パン屋さんの様子がちょっと変ですね。
 どうしたのかな?
「なにか……うるさいですね」
 コンちゃんとミコちゃんの声もします。
 よーく耳を澄ましてみると、ケンカしてるみたい。
 あ、出て来ましたよ。
「わーん」
 コンちゃんはべそをかいています。
 ミコちゃん……コンちゃんの首根っこつかんで怒ってますね。
「まったく、なんでポンポンポンポン『ツケ』を溜めちゃうの!」
「だってだってー!」
「だってじゃないでしょ、このバカキツネっ!」
 ミコちゃん、子供でもつまみあげるようにしてウッドデッキまで行くと、椅子に座って、
「お仕置きです!」
 コンちゃんを膝の上にうつぶせにして置くと、慣れた感じでお尻を叩くの。
「バカキツネ! バカキツネ!」
 ミコちゃん容赦なし。
 コンちゃん滝のような涙です。
「わーん、痛いのじゃー!」
 それを見ていたポン太、ダッシュすると、
「ちょ、ちょっとミコ姉、やめてください」
「ポン太くん……でも、ツケを溜めるのはダメな事よ」
「そ、それはそうだけど……」
 って、それまでお尻を叩かれて泣いていたコンちゃんは髪をうねらせながら、
「これ、ポン太、おぬしが勝負勝負というから、ツケノートをちらつかせるから、わらわ
叩かれるのじゃ」
 怒りで暗黒オーラを背負ったコンちゃん。
 ビシッとポン太を指差して、
「おぬしの勝負、うけてやるのじゃ、ケチョンケチョンのギッタンバッタンなのじゃ」
 ミコちゃんなにか言うかと思ったら、呆れ顔で首を横に振ってるの。
 そんなミコちゃんの仕草を見てポン太もうなずくと、
「では、コン姉、勝負です」
「ふん、仔タヌキなどに負けんのじゃ」
 コンちゃん、ニヤニヤして、
「わらわが勝ったらツケはチャラなのじゃ」
「いいですよ、ボクが勝ったら結婚してもらいます」
 おお、ポン太、大きく出ましたね。
 コンちゃん、顔色一つ変えません。
『ねぇねぇ、コンちゃん、そんな約束しちゃっていいんですか?』
『勝つのはわらわ故、関係ないのじゃ』
『負けちゃうかもよ』
『負けぬ』
「ガマの術」の事は黙っておきましょう。
 どうなるか、楽しみですね。
 コンちゃん、嫌そうな顔でわたしを見て、
「ほれ、ポンよ、コイントスじゃ、勝負を開始するのじゃ」
「はいはい、じゃあ、始め!」
 わたし、コイントス。
 クルクル回りながら落ちるコイン。
 落ちた音と同時にコンちゃん、ポン太、後ろに飛んで間合いをとるの。
 コンちゃんのターン。
「ゴット・アロー!」
 定番ですね、光る矢がポン太に向かいます。
 ポン太、ニンジャ刀で弾いちゃうの。
「むむ、ポン太、やるの!」
 コンちゃん悔しそう。
 って、ポン太、わたしをチラ見してます。
 さっさと「ガマの術」で勝負してください。
 コンちゃんのベソかいているの、早く見たいし。
「むんっ!」
 ポン太、印を結んで気合入れます。
「ドカン」と爆発してガマ登場。
「ゲコゲコ」
「!」
 コンちゃん、固まってます。
 瞳から魂、消えちゃってるよ。
 ポン太が腕を振ると、ガマの舌が伸びて攻撃。
 コンちゃん、いいようにやられてます。
 でもでも、やられている間もショックでピクリともしないの。
 サンドバック状態でしばらく、我に返ったコンちゃんはビクビクしながらうずくまっちゃ
います。
 ふむ、ここはテレパシーでしょう。
『ちょっと、ちょっと、コンちゃんやられてばっかりですよ』
『おおおおおきなカエルが! カエルが!』
『ゴット・シールドすればいいのに』
『カエル! カエル!』
 本当にカエルが苦手みたいですね。
 こんなに乙女とは思っていませんでした。
『神さまでしょ、しっかりしてください、いつものコンちゃんはどこ行ったんですか』
『!』
 コンちゃんの目に魂が戻って来ました。
 正気に戻ったコンちゃん、わたしとポン太、そしてガマをチラ見しながら、
『あのカエルは何者かのっ!』
『ポン太の忍術ですよ』
『ポン太め、やりよるのう』
 コンちゃん、ニヤリとすると、
「わーん、わらわの負けなのじゃ、ゆるしてなのじゃ!」
 泣き出しましたよ、うずくまって、丸めた背中が震えています。
 ポン太、一瞬笑顔になったんですが、
「ポン太なぞ嫌いなのじゃ、好かん、大好かんじゃ!」
「!」
 今のコンちゃんの台詞でポン太の表情は「戸惑い」「焦り」に変わるの。
「嫌いっ! きらいっ! キライッ!」
「あわわ、コン姉、ごめん、ごめんなさい!」
 ああ、ポン太、もうハンカチ出したりコンちゃんの背中さすったり。
 わたし、そして隣にやって来たミコちゃんも、醒めた目でコンちゃんを見守るの。
「許して、コン姉!」
「ポン太なんかキライじゃ、クスン」
 わたし、ミコちゃん、ため息です。
『ポンちゃん、聞いた?』
『出ましたね「クスン」ウソ泣きです、ウソ泣き』
『ちょっと見守りましょ』
『ですね、罪を出し切ってから折檻するほうがいいですよ』
『ポンちゃんもわかってるわね』
 さて、コンちゃんのお芝居ですが、
「ポン太なぞ好かん、あっち行くのじゃ」
「あわわ、コン姉、ごめん、許して」
「ふん」
「ねぇねぇ」
「では、ツケノートを渡すのじゃ、さすれば許すのじゃ」
「うん、わかった、はい!」
「「「!!!」」」
 ポン太があっさり「ツケノート」を渡しちゃうのに、コンちゃんもわたしも、ミコちゃ
んもびっくり。
「ふふ、これさえ手に入ればこわいものなしじゃ!」
 コンちゃん、ツケノートを手にニコニコ。
 でも、その背後に暗黒オーラを背負ったミコちゃんが、すでにチョップの準備で迫りま
す。
「バカーっ!」
 ミコちゃんの本気チョップ炸裂です。
 大きな☆3つのダメージ、コンちゃんうずくまっちゃいました。
 ミコちゃん、そんなコンちゃんの首根っこつかまえて、
「このバカキツネ、折檻です、まったくモウ!」
 ミコちゃん、さっきの椅子でコンちゃんのお尻叩きまくりなの。
 でも、その手を止めると、
「ポン太くんもポン太くんよ、何でノート渡しちゃうの!」
「それはダミー」
「「「!!!」」」
illustration やまさきこうじ
 わたしも、ミコちゃんも、コンちゃんもびっくりです。
 ポン太、本物のツケノートをちらつかせながら、
「コン姉、ずるいから、それくらいは読めます」
 コンちゃんは怒ってますが、ミコちゃんは真面目な顔で、
「ポン太くん、コンちゃんと結婚してもいいかも」
「「え!」」
 わたしとポン太、はもっちゃいます。
 ミコちゃん、コンちゃんのお尻を叩きながら、
「それくらいの人じゃないと、コンちゃん任せられないわ」


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