■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■  コンと村おこし     第15話「コンちゃん街に逝く」         ■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
「コンちゃん、ちょっとニオウよ」
「何を言うのじゃ!」
 ポンめ、いきなり何を言うのじゃ。
 顔を近づけてきてクンクンしおる。
 優華も寄って来たぞ。
 わらわをクンクンして、
「お風呂借りてきたらいいじゃん、汗かいたんだよ」
 と、いうわけで、わらわはお風呂を借りる事になったのじゃ。

「どこに連れて行くのじゃ!」
「配達人の家ですよ、すぐそこなんです」
「おぬしの部屋ではいかんのかの?」
「お風呂のお湯抜いちゃってるんですよ。こっちは大丈夫なんです」
「むう、しかたないのう」
 古ぼけたアパートなのじゃ。
 階段を上がって、ふむ、確かに配達人のニオイがするのじゃ。
 ドアの開いておる部屋の前でポンが、
「ここだから、入ってはいって」
「ふむ、ではおじゃまするかのう」
 配達人の家か、興味あるのう。
 あの男は、普段どのような暮らしをしておるのかの。
「ガチャ!」
「!」
 わらわが入ったところで、部屋のドアが閉じられるのじゃ。
「ポン、何をしておるのじゃ」
「ナニモシテナイヨー」
「悪ふざけは……」
 ドアは開かん。
 ガチャガチャしておるわらわの背後で、
「だれ〜?」
「なに〜?」
 二人の声、見れば「小さい」のと「大きい」のがおる。
 むう、この二人、見覚えがあるのじゃ。
 そうじゃ、配達人の妹なのじゃ。
 しかしのう……なんでこの二人は裸なのかの。
 目をこすりながらやって来る二人。
「あ、キツネさんだ、キツネさん!」
「しっぽ綺麗!」
「ちょっ! わらわのしっぽに触るでないっ!」
「ポン姉の友達だよね!」
「ポン姉より綺麗、すごい、おっぱいおおきい!」
「ポン、助けるのじゃ、ドアを開けるのじゃ!」
 わらわがドアをドンドン叩けば……
『あっちゃん、響ちゃん、コンちゃんをお風呂に入れてあげてね〜』
「うわ、ポン、開けるのじゃ!」
『たのんだよ〜』
 うう、ドアが開かん!
 ポンがドアの向こうでドアをおさえておるのがわかる!
「へー、コンちゃんって言うんだ、ならコン姉だね」
 小さい方が、わらわの服を「あっ」という間に脱がしてしまう!
「コン姉、かわいい、綺麗、さ、お風呂!」
 大きい方が風呂に連れ込むのじゃ。
 それもあちこち「触りながら」。
「おぬしら、怒るぞ!」
「大丈夫、ポン姉も一緒にお風呂はいったし」
「コン姉の方がおっぱい大きくて大人だよね」
「やーめーれー!」
「大丈夫、晶子たち、小学生だし!」
「大丈夫、あたし達、女同士だし!」
 ああ、子供が襲ってくるのじゃ!
 こ、こわいのじゃ!
illustration やまさきこうじ


kmy015 for web(kmy015.txt/htm/jpg)(pma)
NCP6(2022)
(80L)
(C)2008,2022 KAS/SHK
(C)2022 やまさきこうじ
(HP:やまさきさん家のがらくた箱)
(pixiv:813781)
(twitter:@yamakou0_1019)