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■  ポンと村おこし    第195話「パン屋にいらっしゃいませ!」     ■
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 観光バスが3台です。
 久々のラッシュ!
 わたし、コンちゃん、接客で大忙し。
 ミコちゃん・店長さんもコーヒー淹れたりパンを補充したり。
「久々じゃのう!」
「コンちゃん、手を動かす!」
「ポン太かポン吉、なんとかならんかったのかのう」
「二人ともぽんた王国で仕事ですよ」
「観光バス、コワイのじゃ」
「ですね〜」
 って、わたしとコンちゃんは「パンの袋詰め」。
 レッドとみどりがレジ担当。
 わたしの隣ではみどりがお金の受け渡しをやってます。
 コンちゃんとペアはレッドで、ゆっくりですがレジを扱えるの。
 わたしとみどりの方が早いんですけど……
「ねこ・ねこ・まよ・あん・ひよこ・ですね」
 レッドはお客さんの持ってきたパンをイチイチ口にして言うの。
 でもでも、それがお客さんには受けてるみたいです。
『わらわの美貌か、レッドの人気か』
『レッドの人気ですよ』
『面倒なのじゃ』
 コンちゃんはさも不満気にパンを袋に詰めていくの。

 そんな「大忙し」も終わりました。
 お客さんが急にいなくなって、パン屋の中は「がらん」としてるの。
 店長さん、引きつりながら、
「今日はもう、残りモノでいいや、ビスケットとかで終わりにしよう」
「ですね、パン、もう焼くのもですね」
 ミコちゃんが、
「おやつにしましょう、お客さんもいなくなったし」
「やったぁ!」
 わたし、今なら残り物のパンでもいいです。
 すごい、忙しかったから……
 でも、なんでしょう……
 この「忙しさ」、パン屋さん以外で……
 駐車場に一台の車が入ってくるの。
 一組のお客さんくらいなら、休憩ついででもいいでしょう。
「ミコちゃん、わたしがお客さん見るから、みんなは先に休憩でいいよ」
「そう、ポンちゃん、ありがと」
 ミコちゃん、いつもコンちゃんが座ってる席にケーキとマグカップを置いていきます。
『ちょっとっミコちゃん!』
『な、なに、ポンちゃん!』
『ケーキ、わたし、1個多めに!』
『い、いいけど……』
『おやつはてっきり残り物のパンって思ってた、メロンパンとかアンパン・ジャムパン』
『はいはい、ポンちゃんの余計に残しておくわよ』
 店長さん・コンちゃん、もうコーヒーを飲んでまったり。
 みどりはケーキにニコニコです。
 レッドはミコちゃんからコーヒー牛乳のマグを受け取ってましたが……
 レッド……駐車場をチラ見して、途端に目を見開くの、獣耳も発動。
 なにかな?
 わたし、レッドの視線の先に目をやるの。
 車から降りて来たのは藤華さん・優華さん・ジルです。
illustration やまさきこうじ
 カウベルがカラカラ鳴って、藤華さん達入って来ました。
 レッドはダッシュ&ジャンプで藤華さんにキス。
「藤華ちゃ! すきすきー!」
「遊びに来たわよ〜」
「チュー」
「むー 本当にキス魔ねぇ」
「あいさつゆえ!」
 もう、レッド、ニコニコです、大喜び。
 優華さん、わたしにお土産を渡しながら、
「うわ、ポンちゃん、メイドなんだ、びっくりだ」
「ここの制服なんですよ〜」
 ジルも、わたしのしっぽをモフりながら、
「ふわわ、似合ってます」
「褒めてもいいけど、モフるのは止めてよ」
 ミコちゃん、3人の席をすぐに作るの。
 そしてわたしにテレパシーで、
『ごめん、ポンちゃんのケーキ、ナシでいい?』
『し、仕方ないですね……』


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